Q42 人相・手相などで、本当に人の未来を予想できる?


私たちの目に写る姿、形の特徴から過去のできごとや、将来の吉凶(きっきょう)を判断するのが、人相・手相などの観相術(かんそうじゅつ)です。こうした人相術や手相術は今から数千年前に、古代インドに発祥(はっしょう)したといわれています。

仏法では、私たち人間の生命は、色心不二(しきしんふに)といって肉体と精神が一体のものとらえます。実際、心に大きな悩みや心配ごとがあれば、具体的に色法(しきほう)として相(すがた)にあらわれますし、内蔵などに疾患(しっかん)があればもちろんその特徴が出てきます。また本人の生活信条や性格なども、長い間には姿、形になって、あらわれてくるものです。

したがって、表面の人相や手相からその人の性格や健康状態を推測することは、それほどむずかしいことではありません。さらにそれをもとにして将来の予想もある程度できるかもしれません。
その他にも、過去のできごとなど、およそのことを言い当てる占師(うらないし)もおりますが、だからといって将来をまちがいなく見ることができるとは限りません。

わらにもすがる気持ちで占師に見てもらう人にとっては、過去が当あたったということですっかり信じ込み、未来の予言をうのみにしてしまうのでしょうが、これは、実にあさはかなことなのです。

日蓮大聖人が、心地観経を引いて、
 「過去の因(いん)を知らんと欲(ほっ)せば、其その現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲せば、其の現在の因を見よ」(開目抄・御書571頁等)
と記しるされているように、現在はまさしく過去の結果であり、未来は現在の因によって果報が現れるのです。

したがって自分の未来を占師などに問尋(といたず)ねて一喜一憂(いっきいちゆう)するよりも、現在の自分が将来の幸福のために正しい因行(いんぎょう)を積んでいるかどうかを考えることが、もっとも大切なことなのです。