Q38 悪いことが起こると時々悪霊のたたりかな?と思ってしまう


昔から、人々は不幸や災害がふりかかると、それが特別な霊魂(=悪霊)によってもたらされたものと信じ、悪霊を恐れるあまり、それを神としてまつり、たたりを鎮めようと考えてきました。

しかし仏法では、因果律を根底として、一切の人々の救済が説かれています。悪い因を作れば必ず悪い果報(かほう)が表れ、善因には善果が表れるのです。つまり、幸も不幸も過去の行為が因となって報(むくい=結果)をもたらすわけです。この道理を知らずに悪い結果を見ると、私たちは、往々にしてそれをたたりと考えてしまいがちです。では、過去の悪因を絶つためにはどうすればよいのか。それは、大御本尊の信仰よりほかに術はありません。

たしかに、死後の生命の状態が、ときには生きている人に感応(かんのう)することもあり、また故人の受けた十界(じゅっかい)の業果が遺族などに、なんらかの影響を及(およ)ぼすこともありますが、それはあくまでも因果応報(いんがおうほう)によるもので、たたりや呪とはまったく違うものであることを知るべきです。

その他にも、私たちの意識ではとうてい説明のできない不思議な現象はたくさんあると思いますが、それらのすべてを究(きわ)めることは凡夫(ぼんぷ)の私たちにはとうてい不可能なことです。

私たちの生命は永遠であり、生死といっても、それは同じ宇宙法界(ほうかい)の生命体の中にあって、一個の生命体として生ずる時と、死して法界に冥伏(みょうぶく)するときの違いがあるにすぎません。

ですから、これらのものをむやみに恐れることは誤りであり、こうした心理をたくみに利用する低級な宗教や思想に惑(まど)わされることは自らの悪業をつくることになりかねません。

私たちは、宇宙法界を貫く成仏の一法である大御本尊を信仰することによってのみ、自身はもとより、故人の苦しみをも消滅し、自他共々に永遠の幸福を築きあげることができるのです。